「重さ」と「返ってくる力」

最終更新日

地球上に存在する以上「重さ」とは無縁ではいられません。
そして「重さ」は「チカラ」であり自転車やライダーに跳ね返ってくるというお話です。

「ライダーまで含めた自転車」が完全静止できるなら、その持ってる「チカラ」は「重さ」のみです。実際には走るし動くし、ライダーもぐらぐら動くし、各所でコントロールもするのでさほど簡単ではありませんが、まあ「完全静止」できたとします(笑)

「完全静止」であれば、「重さ」は地面に伝わり、地面はそれを「支える力」をかえします。
ちなみに、自転車が動く為には人間が乗ってないといけませんから
「ライダーの重さ」+「自転車の重さ」=「総重量」ですね。
「総重量」と「地面の支える力(床反力といいます)」は釣り合っています。
でないと、自転車はずぶずぶ沈むか、地面が盛り上がっていく事になりますよね(笑)

weight1
テキトーな絵でスイマセン<(_ _)>

これ、全体を俯瞰した場合。あるいは「地面からの目線の図」と言ってもいいかもしれません。
地面は自分の上で何がどうなっていようが、自分への接点に対して正確に同じ力を返します。

同じように次は「自転車の目線」で考えてみます。

自転車は、上に「ライダー」、下に「地面」からの力に挟まれます。
ライダーからは、ハンドルグリップ、ペダル、サドルを通じて「重さ」という「チカラ」が下向きに働きます。
地面からは、前後のタイヤの接地点から重さの力を押し返されています。
このように上下からプレッシャーをかけられるのが自転車です。

緑の→がライダーからかかる力
緑の→がライダーからかかる力
当然→には反対側から押返す「反力」がありますがゴチャゴチャするので割愛。

自転車は、最低限この上下から挟まれる力に耐えられるように設計されます。
※走ってる時や人間が動く時には様々な力がかかるのでもっと強度は必要です。
また各部にはバラバラに力がかけられる為、それぞれに応じた耐える力が求められますね。

では、今度はライダー目線。

weight3
緑の↑がライダーにかかる力

 

ちょっと分かりにくくなってしまいましたが・・・。

自転車各所にかけられたライダーの「重さ」はそのまま身体に返ってくることになります。
自転車の「重さ」は地面に向いていますから、地面からの「反力」は自転車の「重さ」を引いた力を身体に伝えます。(くどいですが完全静止の場合です。動いたらいろいろ力が発生する)

この図をみれば「おしりが痛い」とか「手が痛い」というのは、ライダーの「重さ」が跳ね返ってきているのも要因のひとつだとわかります。

もちろん、身体の位置や姿勢を変える事で、サドルやハンドル、ペダルから返ってくる力はそれぞれ変わりますが、ライダーの重量の総和は変わりません。
ポジションを変える事で身体の痛みが和らいだり強くなったりするのは、この重さの配分が変わる事で、より重量を受けやすい身体の箇所で受け止められるからです。

簡単な例としては、サドルからおしりを上げればおしりへの力(痛み)はなくなりますが、その分、ハンドルかペダルで受け止める事になります。
このように、ライダーの重さの一部がどこかへ消えてしまう事がないように、そこから発生する如何なる力の一部でもどこかへ消えてしまう事はありません。←これ、僕が自転車のあれこれを考える時にとても重要に思っている事です。

以上、地面からの目線、自転車からの目線、そしてライダーからの目線。
それぞれの目線からの「重さと反力」について考えてみました。

あくまで静止状態の話ですが、「重さ」とその影響を考え、自転車が動く事によって生まれる様々な力の基準のひとつになると考えています。

と、いうことで「重さ」は返ってくると言うお話でした。

 

シェアする