自転車のお話しをしていると「重心」という言葉が出てきますね。
で、「自転車の重心ってなんなのか?」を考えてみます。
※このブログでは、「考え方」について書いています。この先のイラストに描かれている「重心の位置」はあくまで「仮」=イメージの中での位置ですので、その点踏まえてお読みください。
「重心」ってなんだ?
重心と言うのは、簡単に言うと「物体の重量の中心」になる「点/ポイント」のこと。
正確には「剛体(力に対して変形しない物体)」に対して用いられます。←大事です。
仮にその「点」を糸で吊るし、物体をくるくる回してた時に、どの角度にしてもピタッと止まります。
自転車の様な、各部の素材(の持つ重さ)が違う場合は「見た目の中心」と「重心」は同じではありません。
また、重心は物体の中に存在しない事もあります。
人間の身体の重心
人間の身体は関節部が動くので様々な姿勢をとる事が出来ます。
姿勢が変わると、重さのバランスも変わりますね。となると、重心ももちろん変化します。
簡単に言えば、立ったり座ったりするだけで重心の位置が変わります。
違う人間の同じ箇所(腕など)の重さを比べてみても、筋肉量や骨格の長さ、他の原因によって重さは違ってきます。つまり同じような姿勢をとったとしても、人によって重心位置は違います。
背の高い人と低い人では「重心の高さ」は違いますし、上半身だけ異様に鍛えたマッチョと細マッチョでは同じ身長でも重心位置は変わりますよということです。←極端な例ですいません。
自転車の重心
もちろん自転車にも重心は存在します。
その位置は自転車によって違うと考えられます。それは、自転車を構成している部品ごとの大きさ、重さが違う為です。
前にサスペンションがついていれば、ついていないバイクよりも重心は前に寄ります。
つまり同じ様な形でもフレームの形状や素材によっても重さの分布は変わります。そして重さの分布が違えば重心位置は違うということです。
ただ、同じ用途の自転車では、だいたいの重心位置は似通っていると考えられます。←構成される部品も似たようなモノが多い為ですね。
蛇足:そういえば昔、前サスペンションがあまりに重くて苦労したことがあります。2kg台が標準だった時代に4kgのサスペンション。重量バランスが狂うのに十分な重さでした。随分筋力もついた気がします。。。
『ライダー+自転車』の重心
自転車が走る為には必ず人間が乗りますから、『走っている自転車の重心』は「自転車+人間」の重さの真ん中で考える必要があります。
また、自転車は「剛体」に近いですが、ライダーである人間は姿勢を変えることができるため「自転車+人間」の合成重心は、自ら動いたり路面からの力などによって変化します。
反対に、積極的に姿勢を変化させることで重心を移動させ、物体(身体)の移動によって『力』を生み、自転車に姿勢変化を起こすこともできます。トライアル競技の動作などはその代表ですね。
実際の走行中には、この「ライダーと自転車の合成重心」は走っている時には他の様々な「力」の影響を受けるので、常に真ん中にあることが理想なのか?といえば、そうではないかもしれません。それは、その時によって変わります。
また、身体を柔軟に使うことにより、路面の変化に対して重心をスムースに前に進めることで、寄り速く楽に走ることもできると考えられます。
以上、簡単ながら、重心についての捉え方・考え方でした。
自転車の操作・動作について考えていく上でとても大事なことだと考えています。
それでは、また。