「動作の上下方向」と「ジャンプ」

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・「つらつら:身体の上下動と重力」2015/4/24『補足』:前回「身体の動きと重力」の追記」2015/4/25
をまとめて追記・修正したものです。

ジャンプの飛び出し面(リップ)は、地面の角度が緩やかに変化しています。進むにつれて角度が急になっていく。当たり前ですが。
自転車もそこを進むとリップに合わせて角度が変わります。
これによって、重力方向と角度がズレることと、それによってジャンプ時にはどう意識するかを考えていきます。


自転車が水平に移動する時には、常に身体の真下(重力の方向)に自転車(&地面)があります。
つまり『自転車(=地面)の下=重力が引っ張る方向』です。
ですから、ライダーの「動作の上下」は、自転車に対してと重力に対してで差はありません。

JOUGE-01

でも斜面やジャンプ台などによって自転車(地面)の角度が変わると
『自転車の上下(=地面)』と『重力の方向』の角度には差が生じます。

上下-02-01

この時にライダーは「自転車の上下」と「重力の上下」のどちらに合わせて動くと良いでしょうか。

まず『自転車(=地面)の上下』に対して飛ぶ動きをすると、進行方向に対して斜め後方に体が伸びることになります。
これをベクトルで考えると、重力に対して上方向と、進行方向に対して逆方向(後ろ方向)にも身体が伸びる事になりますね。
この逆方向への身体の伸びによって、進む自転車を後に引っ張る力が生まれます。当然、飛距離が伸びません。
ジャンプを覚えていく過程で、なかなかバックサイドまで飛びきれない人の中には、無意識にこの「自転車に対して動く(後ろ向きに伸びる)」方がいるように感じています。

この動きは「自転車を引っぱり上げてやろう」「高く飛ぼう」としているとより強くでるようです。

反対に、身体を重力に対して上下に動かすと、自転車を後ろに引っ張る力は生じません。
進行スピードを動作が邪魔することなく飛び出すことができるので、自然にスピードなりの飛距離になります。

* ジャンプについては、リップに圧をかけて高く飛んだり、全くかけずに舐めるように飛ぶなど様々な方式があり、それによって動作も変化します。ここではスピードとリップ面をそのまま利用する基本的なジャンプを例に挙げています。


「重力方向に身体を動かす」には

ジャンプ面(リップ)に進入する時には、自転車+ライダーは常に前に進んでいる状態です。つまり、時間の経過とともに位置が変わっている(進んでいる)わけです。
ライダーが動作を始めてから終えるまでの間にも自転車は進んでいるというイメージは大切です。

逆に、この「進んでいる自転車」を無視して、停止した状態の上下に動くと、進んでいる自転車に対して身体が遅れるようになります。

実際には、進んでいく自転車の位置を先取りして、自分が動作を終えた時に「自転車と身体があるべき位置」に対して動くイメージが必要になります。

ジャンプの習得過程では、自転車の進行を無視して『その時点での』真上に伸びてしまう例がよくあります。
自転車は進んでいくのに身体はその場で上に伸びると、身体と自転車の方向と角度にズレが生じ、バランスを崩したり飛距離が伸びなかったりします。

実際には、頭の移動をライダーの主観で表すとこういう方向になります。

jump02-01

上の絵での頭の移動の「→」は、視線の方向ではありません。

このイメージは人によって違いが生じますが、タイミングを地形と自転車に合わせつつ、常に一歩先のイメージ位置に向けて身体を動かすことは全てのアクションに共通することです。


補足

自転車に対する上下動も、意識的に使えれば様々なジャンプに応用する事が出来ます。
ジャンプの形状や距離、飛びたい高さによっては「自転車に対して動く」のも使う事がある(スパインとか)ので、この「自転車に対しての上下動作」が間違っているという訳ではありません。
ただ、ジャンプを覚えていく過程に「無意識」に行っていて、自分でコントロール出来ないのであれば、もう一方の「重力に対して動く」ことを覚えることを推奨しています。

最終的にはこれらを思ったように使い分け、またはブレンドできるといいなあと思いますよ。