雑記:転び方のこと

「上手な転び方ってありますか?」

自転車の破断事故について書いた時に頂戴した質問。
僕は転び慣れが高じて「転倒スタント」までする人間ですから転び方にもウルサイです(笑)。
今回はスピードがある中での転倒を想定して書いてみます。

「ダメージの少ない転倒(=上手な転び方)」とは、転倒時に自分のカラダが持ってるエネルギー(慣性エネルギー+位置エネルギー)を分散させて受けるという事です。これをしないと、身体が持っているエネルギーは、ぶつかった時にそのままダメージとなって身体にかえってきます。
そのエネルギーは消す事はできない為、「時間をかける」「面積を増やす」などの方法で分散させていくと良いと思います。

実際の動作としては「転がる」か「滑る」です。
→参考:柔道チャンネル「受け身」http://www.judo-ch.jp/knowledge/ukemi/
僕は柔道やった事ないですが、気がつくと(ころぶと)同じような動きをしてます。長年の経験恐るべし。

「転がる」というのは柔道の前回り受け身のように転がる事で、「時間」をかけつつ当たる範囲をずらし続ける事で結果的に接地する「面積」も大きくでき、エネルギーを分散して消費する事ができます。(参考:柔道の後・横受け身や前回り受け身)
「滑る」も同じ様に「時間」によって力を分散できますが、「面積」が変わらないので擦過傷が・・・ですが、ビンディングで足を固定していると転がれないですし。
もう一つ、どうしても叩きつけられるような時は、できる限り広い面積で受けるようにします。(参考:柔道の前受け身)

慣れてない方の中には、バランスを崩した時にすぐに自転車から離れようとしてハンドルやペダルから手足を放す方がいますが、自転車に乗っている「身体」は高い位置から落とされる(位置エネルギーが高い)ので、あまり早くに自転車から離れてしまうとそのエネルギーを減少させる事ができません。
少しでも立て直しを「頑張って」みる事でダメージを減らす事ができると思います。もちろん場合に寄りますけど・・・。

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写真奥から走ってきて曲がろうとしハイサイド気味に転ぶスタント。この状態でまだハンドル握ってます。このあと自転車と離れゴロゴロ転がります。

また案外「転がる」というのは日常の生活の中ではあまりない動きですので、受け身の練習までしなくても、たまに布団の上で前回りや後回りなどをしてみると良いかも???

実際の転倒の仕方は状況によっていろいろ変わるのですが、とにかく「すぐに止まろうとしない」「(一点で)支えようとしない」ことで生活に支障の出るような骨折や関節を壊す事は少なくなると思います。

反対に言えば「マズい転び方」はそれらの力を一点で受けることです。

転倒をした時に、手や足を着いて骨折してしまったり関節を酷く壊したりするのは、まだ大きなエネルギーを持っているうちに手や足を着いて無理に止めようとしたり、「力が逃げない」状況(真下に落ちるなど、ぶつかる対象に直角に近い角度でぶつかる)で手や足を着いて「一点」で集中して支えしまおうとするからです。
フラットランドなどの転倒は地味に痛いそうですが、これは失敗した時に身体が真下に落ちるので力の逃げ場がなく、そのエネルギーの全てを身体で受け止めてしまう為でしょう。

また、自分で手や足を出さなくても、地面やぶつかる対象の状況によって力が集中してしまう事があります。山道なら木や岩、舗装路なら電柱やガードレールなどですね。
まだエネルギーを残している間にこうしたものにぶつかると力の逃げ場がなくダメージが大きくなります。
これはもう避けるにはそういう状況で転ばないように気をつけるしかありません。
そしてそうしたエネルギーをを頭部や首や背骨で集中して受けた時には大変な事になるのは想像できると思います。

またここに書いたのは「二次災害」のない状況の事で、実際には道路で転べばその後クルマに轢かれるかもしれないし、山道であれば崖に滑落するかもしれません。

ということでまあ、やっぱり一番は「転ばないように走る」ということですね。

なんだか痛い話になってしまいましたが、皆さまおケガの無lきようお楽しみ下さいませ。

写真は本文に関係ありません・・・。