動画:『跳んで降りて 跳んで乗る』について(2023.4.11 記)

 ブログは更新できていませんが、5の倍数日の短い動画はなんとか続けています。
 最近アップしたのがこちらの『【遊び】跳んで降りて 跳んで乗る』。

 ある日、春の陽気に浮かれ気分でたわいもないことをしてた中の一つ。

 これは以前に一度、子ども向けスクールで披露したことがあったのだけど、大人も含めてちょっと手こずった記憶があって、お、意外とできないんだな、と。
 できない理由の第一は、たぶん「足がどこかに引っかかりそう」。
 次の理由は「ペダルに足が乗らなかったら痛そう」じゃないかと思います。

 そのどちらも、ハンドルをしっかり「支え」にして跳ねることに慣れると、それほど気にならなくなります。
 (自転車なしで)柵などに手を着いて跳びこえるのと同じ感じですね。

 身体だけが跳ぶのではなく、ハンドルである程度体重を支えることで、ただ跳ぶよりも高くまで身体が上がりますし、身体が落ちる速度も多少緩んでペダルに足をのせる余裕も生まれます。

 反対に言えば、ハンドルを支えにする使い方(身体の預け方)がうまくいかないと、体も上がらないし着地もおぼつかなくなります。

 これは「足で跳ねる」ことに意識を向けすぎても起きることです。

 ブレーキで止めて跳ぶ時にはそれほどシビアではないのですが、走りながら(=ブレーキを使わず)跳ぶ時には、しっかりハンドルの真上から力をかけないと自転車が逃げてしまいますからね。

 この「ハンドルの上から真下(鉛直)に力をかける」のは、ことマウンテンバイクに乗る上ではとても大切な感覚。
 もちろん、実際に走る時には今回の動画のように身体を全部預けるわけではなく「前傾させた上半身の重さ」を支えるという感じ。
 下り坂でも、その重さを手で伝え支えることでコントロール性が上がります。

 この上下の感覚を身につけていると「ハンドルを頭の下に置く」ような感触を得られ、力を使わなくてもこの位置が崩れない限り身体が自転車と一体となって進むことができるというのが僕の持論。

 この場合の「上」とか「下」は、重力の方向(鉛直)が基準で、この上下の感覚が乏しいと筋力や視野で自転車のバランスを取ることになり、筋肉に力みも生じるのでそれはもう疲れますしちょっとしたことでバランスを崩してしまうこともあります。

 その感覚を得るのは別にこれでなくてもいいのですが(笑)、まあ遊んでたらちょうどいいじゃないかと考えてしまったものですから動画にした次第です。

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 動画を作る時には、それなりに「呆れられたらどうしよう」という怖さはあって、今回の動画に関しては特にそれが大きかったんですね(笑)

 今回の内容は、明らかに「おふざけ」な感じですし、いろいろ理由を述べたところで実際にやってみる人はそんなにはいないんじゃないだろうかとは思うんです。

 レッスンや動画を作ってきて感じたのは、想像以上に人は直接的な手段を好むということで、今回のような内容のものはその背景にあるものや身につけられることをどれだけ理解したとしても、直接的に山を走ったりテクニックを披露したりという目的に対してはかなりの「まわり道」に感じるだろうなと想像しています。

 ただし、僕も「まわり道だけどやってみろ」と言いたいのではなくて、そういうこともあるのかなとちょっと考えるだけで思考の経験になって、その先何かのキッカケになるといいな、と思っているだけです。

 まあ、いろいろ述べても元はただのおふざけなんですが。

 やりたいことをやりたいように。ただしよそ様には出来るだけ迷惑をかけないように。
 そんな感じで。