※ この稿を書き出したのは7月28日だったんですが、どんどん状況が変わり気がついたらもう8月の7日。途中、情報の日付が初期のものだったりするのは、その時調べなためですが、趣旨として問題ないものはそのままにしています。
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7/27に東京都の新規感染者数が2800を超えたのを皮切りに、首都圏周辺や各地の都市部では毎日の新規感染者数が増加し続け、8/4には全国で14000人を超える事態となりました。
結果、全国の主要都市と増加地域に、再度の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが発せられることになりました。
ほんとに残念なことです。
いろんなことを9月から再開しようと考えてたのですが、これだけ首都圏と関西圏で感染者が増え、岐阜を含む名古屋圏も増加しだしているのでちょっと難しいかな、と考えています。
なんにせよ、現在個々人でできることは、自分の居住地域の感染状況に合わせて基本の感染対策をより確実に行い、これからしばらくの間は普段の生活圏を超える移動を避け、また家庭外の人との会食など感染の可能性の高い行為は避けるくらいでしょうか。
僕の場合は、あまり人を集めるようなことは控えよう、というのも一つの対策。
なにも活動を全部止めろって言いたいわけではありません。
油断しないで確実に対策をし慎重な行動をってお話です。
あ、接種可能な方はできるだけ早期にワクチンを接種するってのもありますね。ワクチン接種しても対策は継続が必要ですが、効果が高いことには間違いない。
僕もやっと接種の予約ができるようになるので、さっさと予約しようと思ってます。射たない理由がないので。
皆様におきましては様々なお誘いもあると思いますが、しばらくは控えていただくこと何卒お願い申し上げます。
何をするにも、まずはなんとかこの難局を乗り切ってから。
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ここから下は「現在の状況について」と「状況をどう判断するか」についてちょっと(?)書いておきます。
状況を見てて「自分には何にもできんなー」と気分が行き詰った僕の憂さ晴らしみたいなものです。
感染が拡大した原因には、周囲の感染状況の変化に気がつかなかったりするのもその一因じゃないか?と思ったってのもありますね。。
だから、いろんなことを理解すれば状況・我慢への耐性が少しはできたりするんじゃないかとかっていうのもちょっと考えた。
目新しいことはなにもないので知ってる方には退屈な内容ですが、「そういやあんまり気にしたことなかったな」という方でお暇な方はどうぞ。
超長くなったので目次を置いておきます。
◆ 状況を知る方法
COVID-19に関する様々な情報については、感染症専門医の忽那氏の記事がとてもとてもわかりやすく、いつも勉強させてもらっています。もちろんその情報元や他の専門の方の情報も見ています。そうして自分の中でのボーダーラインを探っているわけです。
忽那氏はいつも丁寧かつ穏やかに、そしてフラットに情報を伝えていただけるのでとても助かります。
新たな情報に触れた時、その時点での自身の中の知識や考え方でその受け取り方に偏りが生まれ、感情的に排除することがあります。ですが、自分がそうしたことをしていないかを自覚するためにも、一度冷静になって様々な考え方に触れることは大切だと考えます。
感染症専門医|忽那賢志 氏 記事一覧
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi
で、その忽那氏のある記事の最後に、僕のような素人にも手に入りやすい情報から現在の状況を判断するにはどうしたらいいのかについて書かれていました。以下抜粋。
新型コロナは時期や地域によって流行状況が大きく異なります。
つまり、発熱や咳のような症状が出現したとしても新型コロナである可能性は、住んでいる地域によって変わってきます。
各地域における流行状況は、
・新規発生患者数
・新規発生患者数のうち接触歴不明の患者の割合
・検査陽性率
を参考にしましょう。新型コロナの症状、経過、重症化のリスクと受診の目安は?
忽那賢志 感染症専門医 7/25(日) 8:50
→ https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210725-00249673
これらのデータは、各都道府県のサイトなどで毎日発表されていて確認も簡単。
お出かけ1週間前くらいから毎日夜に確認してるとなんとなく傾向が見えてきます。
ここから下に、それぞれの数値の僕なりの見方を書いていこうと思います。
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・感染〜発病〜病状変化までを理解する
まず、基礎知識として、真っ先に頭に入れておく必要があると感じるのは、ウイルスに感染してからの時間の経過に伴う病状の変化ではないかな、と思います。
瞬間的な数値に惑わされず、先を見通した対策や傾向を考える為にも大切だと思うんですよね。
↑ このグラフは英語ですが、上にリンクを貼った忽那さんの記事では日本語でもっとわかりやすくなったのが載ってます。(ブログ記事から引用してもいいものかわからなかったのでその元になった論文から引っ張ってきた)
COVID-19の典型的な時間の経過による変化は上の図の通り。
感染日を基準にして簡単に表にすると以下のようになります。
経過時間 | 状態 |
0 日 | 感染 |
1~2日目 | 暗黒期:ほとんどウイルスが排出されない |
3~4日目 | ウイルス排出量が一気に増加 (感染させる可能性が急激に高まる) ※ 発症前なので動き回れる |
5日目 | 発症(感染させる可能性が高い) |
~7日目 (発症から1〜2日) | ウイルス排出量ピーク (体内で抗体が作られ始める) |
12~13日目くらい (発症から7~8日) | 中等症へ移行:肺炎症状が悪化など(症状ありの15%) 軽症状の8割は軽快へ(症状ありの80%) ※ 中等症は「人工的に酸素の供給」が必要となる状態 |
15日目くらい (発症から10日くらい) | 重症化する例がある(症状ありの5パーセント) ※ 重症は「挿管などによって状態の維持が必要」な状態 |
※ 以後 | 後遺症(Long COVID) |
検査要請者に対する軽症率は80%ほど
ただし「超頑張ればなんとか自分で動ける」も軽症
熱の高さと症状度は関係ない
上記より、COVID-19への対処の難しいところは以下の点だと考えています。
- 感染者の自覚なしに周りに感染させやすい
COVID-19の特徴として、発症前から周りの人に感染させるだけのウイルスを排出。
発症後も無自覚症状や超軽症であるために、普通に動き回ることができ、本人や周りの人がわからないうちに感染が拡がる。
つまり『感染者がその自覚なしに動き回ることができる』ことこそがCOVID-19の感染を拡げるし収束が難しい原因と考える。
- 発症から1週間後、一定の確率で急に肺炎以上の症状に至る
ほとんどの感染者が無症候もしくは軽症で終えるため、周囲に感染者が出たとしても軽症で終えることが多いため、それを聞いた人は「大した病気じゃない」と思ってしまいます。
しかし、そのうちの一定確率で急激に中等症(肺炎・血中酸素の低下)が起き、そのうちの5%は重症化。
急に病状が変化するので、自宅療養などの場合では対処が間に合わないことが危惧されています。
- ウイルス消失後の病状・後遺症(Long COVID)の存在
ウイルスの感染による病気は、体内からウイルスが消失したから元どおり、というわけではありません。
ウイルスは病気を引き起こすものですが、その消失後も人体の免疫機能の暴走などの理由によって病気は続きます。
後遺症の原因についてはまだわかっていませんが、軽症の人の中でも後遺症の残る例は一定数確認されています。
改めてですが、自覚症状がなくても、発症する前であったり、動き回れる程度の症状であったりすることもあるため、自分がウイルスを持っている前提で動くことが大切かな、と思います。この状況では特にですね。
例えば遊びに行く当日朝に熱を測って平熱だったからって、感染していない保証にはなりません。ただ、その可能性を低くすることができる、という程度のことです。
● 新規発生患者数の把握は基本
『新規発生患者数』は、日ごとに報告される検査陽性者数のことですね。
各都道府県や市町村などで発表されていて、自分の周りで感染者が増えているのかどうかを確認する時、分かりやすい指標となります。
この毎日の新規感染者数の推移を追ってゆくことで、現在の状況と今後の推移をある程度予測できます。
その時には、毎日の実数(報告数)と、七日間平均などの両方を比べながら見ていくと良いかな、と思います。これらの都道府県ごとの数値も、NHKの特設サイトなどで簡単に確認できます。→こちら
超ざっくりに判断するとですが、毎日の新規感染者数(実数)がその日までの7日間平均より多いことが数日続けば増加傾向。同じように少なければ減少傾向と見ることができるわけです。
単日の数値は何らかの要因によって極端に増えたり減ったりするので、あまり当てになりませんしね。
ご存知と思いますが、報道で「◯曜日としては最多」という表現がされるのは、
- 多くの人はその行動に曜日による傾向がある
(週末は休みだから出かける・金曜日は飲み会がしやすいなど) - 医療施設の検査数が曜日によって異なる
(土日祝日はお休みや手が足りないところがある)
などの理由があり、また感染から発症までの期間(多くの例では4〜5日)もほとんどブレないので曜日ごとの数値は参考になるわけです。
(連休などがあると、このサイクルが崩れるので連休のある週とその翌週の曜日別数値はあまり参考にならない)
また病院などからの報告から発表まではタイムラグ(おおよそ報告翌日に発表)があるので、休み明け(月曜日など)は少なくなる傾向にあります。
感染者数が増えれば一定期間後、一定の割合で中等症や重症に至る方が出てきます。
上に提示した表でも7〜8日目ほどで急速に中等症、その数日後に重症に陥ることがあると示されています。
つまり、新規感染者数が増加したその1週間後以降に重症者数も増加することが予想される、ということです。
ワクチンなどによって重症に至る方や亡くなる方が減ったとしても、感染者数が増えればやはり重症者数なども一定割合で増えていきます。
そして、十分な治療が受けられれば重症化しないような方が、病床が足りなくなり治療が受けられなくなることで、本来治るはずの人が重症化したり死亡されたりすることが起きているようです。
「新型コロナ 第5波は死亡者数が少ないから大丈夫」は本当か?
忽那賢志 感染症専門医
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210808-00251965
このように、新規感染者数の増減傾向を把握し、早めに対策を強化して自らが新規感染者にならないことでその数を抑え込み、結果的に重症者数の増加や病床の圧迫を抑えることができると考えられます。
これはすでに医療行政の問題ではなく、個人の一人一人が抑制に向けて考えて行動しないとそれはならないわけですよ。
ちなみに東京都の重症者数は都独自の基準になっていて他の道府県よりもかなり小さい数字になっています。
国基準では、ICU(集中治療室)を使用していると重症者ですが、東京都の基準では「ECMOなどの人工呼吸管理をしている患者の数」(→都の基準)です。
なので8/1現在で、都発表での重症者数は101人(確保392床・使用率25.8%)ですが、国の基準を当てはめると826人(確保1207床・使用率68.7%)となります。
(国基準の重症者数は病床使用率グラフなどで確認できます→『NHK|病床使用率』)
「まだまだ(東京都の)重症者数は大したことない」という声もあるようですが、もうとっくに逼迫してるんですよ。
また、新規感染者数が多いと濃厚接触者の追跡も難しくなります。
いくつかの都府県では、冬の第三波でこの追跡をしなくても良いことにしていますから、通常であれば濃厚接触者として扱われる人も、そのまま普通の生活を送っていることになり、そうした方からまた感染が伝播し感染者が増えると言う連鎖が起きます。
要するに、どこで無自覚な感染者に遭遇していてもおかしくない状態。
これは、新規感染者が急増し保健所の業務キャパシティを超えている状態」と同じことですね。
ここまでのように、毎日の新規感染者数を継続してみてゆくことで、現在の状況がどのようになっているのかを考えることができるわけです。
・実行再生産数と予測
少し未来の増減傾向を予測するためには、『実行再生産数(Rt)』を用います。
(この数値は東洋経済オンラインの特設サイトなどで確認することができます)
これは乱暴に説明すると、「(一定の時期の状態・対策下で)平均して一人の感染者が何人の人に感染させたか」を表す「割合」。
収束に向かっている時には『1』を下回りますし、増えている時には『1』よりも大きい数値となります。
これによって、その時の対策の効果がどれだけ出ているのかが判断できるわけで、この数値が大きかったらその分対策を強め、『Rt=1』を下回るように頑張らないとなりません。
(ただし、発生患者数の値があまりに小さい場合は変動が大きくなり当てになりません。)
・『小さな割合』と『大きな実数』
とても雑に考えて、その時点の実行再生産数のままの状態・対策を維持して感染を繰り返すとどのくらい増えるのかを表とグラフにするとこんな感じになります。
患者さんの感染から、次の人に感染させるまでの日数(感染サイクル)を5日として考えます。
実行再生産数が1.1の場合、1回の感染サイクル(5日後)では100→110名になりますが、実行再生産数が1.5の場合は150名。その差は40名ですが、まだ感覚的に小さいように感じます。
ですが、これが3回の感染サイクル(15日後)では、実行再生産数1.1では133人ですが、実行再生産数1.5では338人。その差は200以上となりものすごく大きな差が開いたな、という感想になりますね。実数としても「増えたな」と感じると思います。
このように、感染サイクルが1回だとその差は小さいのですが、その対策状態のまま数度繰り返すと大きな差になるということがわかります。
感染者数が増大している首都圏の各都県の実行再生産数は、このところ(8/5現在)1.6~1.7くらいで推移しています。(→東洋経済on-line |新型コロナウイルス国内感染の状況 より)
8/5現在、東京都の感染者数が5000人を超えましたが、この5000人に現在の実行再生産数1.7を用いると、感染サイクル一回(5日後)で8500、感染サイクル二回(10日間)で14450人となります。
実際には、曜日による行動傾向や対策の変化、検査キャパシティなどもありますので、そのまま数字が増えるわけではありません。
こうして、その時点での実行再生産数を用いて計算することで、その時点の対策の効果と今後の推移を知ることができます。
ですから、実行再生産数によってこれからどのくらい増えるかを予測し新規感染者数という実数が増える前に対策を強化すれば、感染の拡大は抑えられるはず、となりますね。
「現在の感染状況は2週間後に数字になって現れる」と言われるのは、数度の感染サイクルを繰り返すことで「実数」としての変化が明らかになると言うことで、感染から2週間後に発症するという意味とは違います。
また、係数をかける最初の母数(感染者数)が多いと、同じサイクル数でも実際の感染者数(実数)の増加は大きくなるので、十分に毎日の新規感染者数を抑えきらないと、対策を緩めた途端にあっという間に感染者数は増えてしまいます。つまり十分に感染者を抑えきらないまま対策を緩めた(緊急事態宣言解除など)現在がそれです。
よくある錯覚としては、とても多くの新規感染者数が確認される毎日でも、その数が同じくらいであると、実行再生産数は『1』に近くなります。係数としては落ち着いたように見えますが、毎日たくさんの新規感染者数が出ていることに変わりはないため、目指すべき値は「1」より小さい数でないとなりません。
個人的には「新規感染者に対して十分な濃厚接触者への検査と経路の確認ができる」程度にその数が落ち着くまで対策を頑張れるとすごく安心できると思うのですが、なかなかすぐにはそんな状態にならないだろうな、とも思っています。
こうした毎日の感染症に関する数値や情報に目をつぶってしまうと、必要な対応・対策が遅れ、それだけその後の感染を増やし、それだけ自由に動ける日が遠ざかりますよ、ということでした。
難しいのは、そのための行動を集団で行うことができるかと言うことで、そのためにはどうしたらいいのかなぁと。。。
ただ、毎日そうした情報に深く触れているのはやはり気が滅入ることもある(僕はかなり滅入ってる)ので、上記の忽那氏のような穏やかにその都度の状況を発信していただける方の発信を追っていかれるのも良いかな、と思います。
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● 接触歴不明の患者の割合
これは『感染経路不明率』などと言われるものですね。
『感染経路不明率』とは、新規感染者に聞き取りなどをして「濃厚接触者がいない」=「どこで感染したのかわからない」と判断されたケースの割合。
どこで感染したのかわからない人が増えると言うことは、それだけ一般生活に感染者が増えている、と言うことになります。
感染リスクの高い行動を取る方は、その行動を繰り返す傾向があるためにそれだけ感染している&感染を拡げる可能性があります。実際にそうして感染を広げて回ったYouTuberなどもいましたね。極端な例ですが。
感染が拡大する地域では、この感染経路不明率がかなり高く、現在爆増している地域では大抵50%を超えています。
これまで数値の変化を見ていると、この感染不明率が30%を超えるとまずいかな、というのが個人の感想。30%を超えると一気に50%を超えていくような印象があります。
感染したことが明らかになった時、そのことがわかれば接触した方々が用心して検査を受けたり人と会うことを控えたりすることができます。
現状では、どこで感染してもおかしくない状況ですので、公にしにくい場合でも実際に会った方にだけでも感染の事実を伝えることは立派な感染対策になるのではないでしょうか。
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・『検査陽性率』によってわかること
『検査陽性率』は、検査を行ったうちどのくらいの人が陽性になったかを示します。
100人検査して10人が陽性だったら10%。100人陽性だったら100%ということになります。
毎日の新規陽性者数が少ないうちは、検査陽性率も低い傾向にあります。
濃厚接触者を広く設定した「念のため検査」=陽性確率の低い検査の割合が増えるからです。
市中に感染者が増えてくると実際に発症したり「ひょっとして発症したかな?」という発症疑いのある方の検査が増えてきます。
つまり、「陽性確率の高い検査」が増えるため、検査陽性率も高くなることになります。
これにより、他の数値と合わせて検査陽性率を見ることで、市中感染の様子を伺うことができるわけです。
ただ、検査数(母数)がどの検査まで含んでいるのかを把握することは大切です。
4月の大阪府では、感染者数の増加とこの検査陽性率があまりリンクしませんでした。
理由は、大阪府が「高齢者施設などのスクリーニング検査(念のため検査・陽性確率が低い)」や、病院を退院するときに行う「陰性検査(当然陽性確率が低い)」の数も入れていたためです。他の都道府県ではこうした数を入れていませんでしたので、他と比べると検査陽性率が低く出てくることになります。
他の数値と比較して「なんか変だな」と思ったらちょっと調べてみることをお勧めします。
◆ デルタ変異株
今年春ごろからよく耳にする『デルタ変異株』。
その感染力が従来のウイルスと比べて強いとされ警戒されています。
現在首都圏では感染の多くはこのデルタ変異株だと思われ、今後地方へも伝播していくことが予想されます。
僕がああだこうだいうより下の記事を読んでいただく方が確実かな、と。
新型コロナ デルタ型変異ウイルス 感染力、重症化リスク、ワクチンの効果など 現時点で分かっていること
忽那賢志|感染症専門医
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210801-00250999
現在、若い層にも感染が広がり中等症以上の症状が多いのもその感染力の強さが伺えます。
以前にはあまり見かけなかった、10歳未満のクラスターなども関東圏では珍しいことではなくなりました。残念なことです。
これまでも、それぞれ個人で講じてきた対策は、地域の状況などに合わせて「このくらいならまだ大丈夫か」といった加減をしてきたことと思います。僕がそうです。
ですが、感染力の強いデルタ株が蔓延すれば、これからはその対策のレベルとだいぶ上げる必要があると考えた方がいいかもしれませんね。
ただ、このデルタ株に対するmRNAワクチン(ファイザー)の効果は、重症化を抑える効果はあまり変わらず、発症予防効果も同等か微減(10%)、感染予防効果も10%程度の低下とみられており、早期に人口に対するワクチン接種率が増えることで、十分に集団免疫を獲得することができると考えられます。
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/51/covid19_vaccine_20210721.pdf
mRNAワクチンは副反応もありますが、その反応は基本的に数日のものとされています。
しかし接種せずに感染した場合、その副反応より酷い症状に陥ることもあり、また軽症であっても治った後に長い後遺症に悩まされる可能性が高い事も分かっています。
また感染した自分を介して周囲の人に感染を広げる可能性もありますね。
これらのことを未然に高確率で抑える役割をするのがワクチンです。
また、今後ワクチンの普及によって感染率が落ち着き社会的な感染対策が緩やかになった際、新たに感染するのは高確率で非接種者になる事も想像に難くありません。
副反応などのデメリットと感染から自分と周囲を守るメリットを比べ、メリットが上回ると考えるので、僕はさっさと射つことにしています。順番がくれば。
◆ 個人の緊張感が頼みの綱
ここからは完全な私見です。
他国に比べて、日本の行動規制は緩いとされています。僕もいろいろ調べてみたのですが、やっぱり同じ感想を抱きました。
ですが、最近まで日本は人口に対する感染者数は海外と比べると随分と低く抑えることができていましたね。
これは、この日本に住む人たちの「緊張感」によって保たれてきたものだと僕は考えています。
つまり、一人一人が「感染しないぞ・させないぞ」という行動を一定以上の緊張感の上で継続してきたために、法的な行動抑止などをしなくてもその感染の拡大を抑止できたと考えてるわけです。
その「緊張感」の素は、理解であったり、周囲の目であったり、COVID-19の症状やその後遺症への怖さだったり人それぞれですが、少なからず心的ストレスを生じるものでした。
ですが、人はストレスからは解放されたいと考えるものですし、それは当たり前のものであると思います。
ですから、「COVID-19は大したことないからもっと緩めても平気だ」とか「若いからかかっても大したことない」というように考えたくなるのも無理はないと思います。
ですが、そこには「本当に軽症で済むのか・その確率はどの程度か」や「自分を媒介して感染を広げた先に重症に陥る人がいる可能性」などへの想像力や理解を拒否しているように感じることがあります。
また、これまでなんども感染者が増える状況を経験し、その中で「自分や周りは感染しなかった」という経験の積み重ねが「生存バイアス」となって「油断」を招き、感染対策が緩くなることもあるように思います。
つまり、「以前の波は、このくらいで大丈夫だったから、今回もこのくらいの対策・対処で大丈夫だろう」という考え方を誘います。
何度も法的に制限のない緊急事態宣言やまん延防止重点措置などを繰り返し発せられてきたこともそれに拍車をかけているものと考えます。
そうした「慣れ」だったり「閉塞感からの解放欲求」だったりからくる社会的な緊張感の緩み=「油断」に乗じて、より感染力の強い「変異株」が現れ、拡がりました。
また、人が短期間に受け取れる情報量には限りがあり、ネガティブな情報はさらに受け取りにくくなります。
社会全体が注目するような出来事があるとそれが優先され、相対的に感染症についての情報量は減少し、さらにネガティブな情報が意識に及ぼす影響はさらに小さくなると考えられます。
そうして、感染症に関する情報への触れる機会と感度が低くなれば、その行動への意識も低下し、感染者やウイルスキャリアとなって感染を拡大させると僕は考えています。
さらに、今はSNSなどのコミュニケーションツールをよく利用する方などは、情報が自らと同質性の高い人からもたらされる状態となり、そこには自分が見たくない情報はあまり流れてこないという状況に陥りがちです。
また、そこでは緩やかな対策で楽しく過ごす人の様子があって、それによって自分もこのくらいであれば、というように動いてしまうこともあるかもしれません。
「オリンピックによって感染者が増える恐れ」と言われたのは、そうした情報に触れる機会の減少や、動いても大丈夫だという雰囲気を醸してしまうことによる緊張感の緩みだったと考えています。
実際にそれがどの程度影響があったのかはまだわかりませんが、これと同じかそれ以上の影響が、コミュニケーションツール上で起きる可能性を僕は考えています。これはこのブログでも度々「動いても良いというサインを出したくない」と書いていた通りです。
ですから、親しい間柄や信頼する相手からであっても、その行動を知ったり情報を受け取った時にもそれを自分の状況において考えなおしてみることが必要かと。しんどいですけど。
反対に、情報を発する時にも自分とは違う状況にある人のことを少し考えてみたらどうだろう、などとも考えます。
なんにせよ、誰かの行ったことに影響され、自分がそれと同じようなことをした時に、自分やその周囲、また接する社会にとって、自分の行動や行為がどう影響を与えるのかを可能性の積み重ねながら考えることが、このCOVID-19の影響を早期に排除する手段だと僕は考えています。
なかなか難しいことですが、ここでもう一度緊張感を持って対策をお願いしたいのです。
ダラダラ先に伸ばすと、また新たな変異株が生まれ、またやり直しなんてことにもなりかねませんしね。
==
この1年、実際に会ったりSNS上で見かける人の動きを見ながらずっと考えてきて、ちょっと行き詰った感を鬱憤ばらし気味に書いてみた。
あー、スッキリした。