[YouTube : okp channel] に、『【 How to 】”ホップからのノーズタップ (ジャックナイフ)』をアップしました。
今回紹介してるこのテクニックは、ジャックナイフにホッピングを加えた感じのテクニックです。
ストリートなどでランプから飛び出した後、デッキ(平らなところ)に前タイヤで着地して止まる時なんかに使うアレですね。
動作の感覚も、まさしくジャックナイフとホッピングの複合でしかないので、両方できる人はちょっとチャレンジしてみてくださいね。
あ、ヘッド角がとても寝ていたり超ショートステムのバイクでジャックナイフをする場合、この動画のような要素を加えるとジャックナイフしやすいですよ。
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以下、動画の補足と解説です。
■ 前進する自転車の力を下向きに変えるテクニック
このテクニックでは、前に走る自転車の勢い(慣性)を身体の動作によって下向きに変え、それを地面に『突き刺して』ストップ&ジャックナイフに持ち込むということをしています。
その動作は、マウンテンバイクのドロップオフで大きく飛ばずに『潰す』時や、ダートなどで斜度が急に変化する『バックサイド』に飛び込む時などの動作と似ています。(後半の動作は違いますけどね)
こういう斜度の変化が大きく落差も大きい斜面にそのまま突っ込んでいくと、自転車+ライダーの体にはそのまままっすぐ進もうとする力=『慣性』のために飛び出してしまいます。
この時にハンドルを押し下げて自転車を斜面に合わせようとしても、身体自身の持つ慣性(=直進する力)は変わらないので、やっぱり飛び出してしまいますしね。それどころか、自転車前部を下げることでバイクと身体が離れたうえに縦回転のモーメントによって結構危ない状態になることもあったりします。
話が大きく逸れてしまいました。。。
バックサイドに飛び込む時の動作では、最初の身体の伸び上がりではバイクを浮かせる必然はあまりなく、後半は『腕をつっぱらない』で大きく体を落としていく(低くしていく)ことが違います。
ですが、そんなに練習に都合の良いバックサイドがお家の近くにある人は少ないでしょうから、こういったテクニックから動作の端緒でも掴んでいくのもいいかなぁと思って紹介しています。
まあとにかく今回のテクニックは、ライダーの身体動作によって自転車の進む方向に縦方向の角度の変化も促す動作の感覚を掴むのにいいのかな、と考えて紹介した次第です。
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■ ジャックナイフのおさらい
僕のおすすめジャックナイフをもう一度おさらいしています。
大切なのは「上から接地点を覗き込む」「前タイヤに上から乗り込む」といった感覚。
また、後ろタイヤが上がる時にはヒジを曲げず『つっかい棒』のようにして身体を支えます。
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■ ホップの着地でブレーキして静止
これ、簡単なようですが、トライアルを長くやっている人ならいざ知らず、あんまり馴染みのない動きだと思って入れてみました。
とても『つんのめる』ので、本当にゆっくりのスピード&小さいホップで体験して欲しいです。
ブレーキをかけるタイミングは、前タイヤが着地するのと『同時』です。
『空中』でブレーキをかけてると、そのための握力の筋肉によってヒジ関節の動きが鈍くなりがちです。
鈍くなった動きのヒジで着地をするとその衝撃を強く受けることになります。(ブレーキが滑りやすくなる原因でもあります)
また、この後のノーズタップ でも、動きの鈍いヒジでは身体を前に移動させる動作が難しくなってなかなかできない、なんてことになります。
なのでブレーキのタイミングは『着地でぎゅ!!』です。
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■ ホップ→ノーズタップ
ここからやっと本題に。
自転車の動きで見ると、
「ホップ」→「ノーズタップ (ジャックナイフ)」
ですが、ライダーの身体の動作では
「ジャックナイフ」+「ホップ」または「ジャックナイフついでにホップ」
となります。
この「自転車の動き」と「身体の動き」、どっちを見るかで動作の考え方が変わりますので注意が必要です。
自転車の動きの順番【ホップ→ノーズタップ 】で身体を動かしていくと、タイミング的に前タイヤの上から見下ろせる位置に身体を移動させることが難しくなります。
人間の体は、上に飛んでから(相対的にバイクの)前に移動することはできないからですね。『上に跳ぶ+前に出る』ためには、跳ぶ踏み切りの時点で上+前方に向けて伸び上がる必要があります。
そのため、動作イメージは【ジャックナイフついでにホップ】くらいがちょうど良いと考えています。
また、この時の『ホッピング』は、そんなに高く跳ぶ必要はありません。
小さくてもしっかり前タイヤに上から乗り込むことができればいいのです。
反対に、あまり高く跳ぶとそのさらに上に体を乗せにいくのが難しくなりますし、タップした時点で後ろのタイヤの上がってくる率が高くなってしまいます。
同様にあまり助走が早いと、後ろタイヤが上がり過ぎてしまったり、ブレーキやタイヤのグリップが耐えられずに滑ってしまったりします。
着地でブレーキやタイヤが滑る時は、『前タイヤの上から乗る』ことが十分にできていないことも考えられますので、ブレーキやタイヤのせいにしないで、自分がしっかり動けているのかをチェックしてみるのも良いかもです。
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■ バニーホップっぽく入る
ホップの代わりにバニーホップっぽく跳ねる方法も紹介しています。
これも、ホップのついでに前タイヤから引っこ抜くってイメージですね。
だから普通のホッピングから段階的に覚えていくのが良いと思います。
段階的に動作を加えるイメージですね
・ジャックナイフのついでにホップ。
・ホップのついでにバニーホップ。
あまり深く考えないほうが成功率が高いような気がします(笑)
前タイヤから浮かせるときには、ただのホップよりも体がバイクの後ろに位置することになります。
つまり、身体と前タイヤまでの距離が開くので、ホップの時よりも一層「前タイヤに上から乗る」をしっかり意識しないと先にある前タイヤに追いつくことができません。
その代わり?前と後ろのタイヤの浮く時間差によってバイクが縦回転を起こしやすく、ゆっくりからでも後ろタイヤをしっかり上げる(角度変化をつける)ことができます。
まあ、勢い良すぎると前転する可能性が高まるってことですけどね。
段差に向かって行う時や、ランプのリップから飛び出してデッキでタップする時などは、こちらの動きの方が便利なので、そうしたことを考えている方は練習しておいたほうが良いかな、と思って乗せました。
あと、冒頭で書いた「バックサイドに飛び込む」動作も、こっちに近いです。
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■ 段差に向かってタップする
ほぼ「おまけ」みたいにして『段差に向かってタップ』も載せてます。
基本的な動きは同じで、ホップでもバニーホップでもすることができます。
ただ、高いところにタップするには、より高く飛ぶ必要がありますね。
段差の上に乗る前タイヤの、さらに高いところまで身体を運んでさらに顔で見下ろせるような位置へ跳ぶという動作イメージです。
より高い段差に向かって行うときには、基本バニーホップからの動作の方が向いています。
理由は、より高く跳ぶことができること、前タイヤの上に体が乗りさえすれば自転車に縦回転のモーメントが生まれているので後輪が上がってくれること、です。
まずは低い段差で少しづつ動作とに慣らして恐怖心の克服をしてから少しづつ高い段差に挑戦するのが良いのではないかな、と思います。
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■ トライアル的『前刺し』との違い
今回動画で紹介した『タップ』は、そこで一旦停止することが目的です。
一方、トライアルの『前刺し』は、そのあとに自転車を送り出して後輪まで段差の上に運ぶのが目的ですので、前向きの力が止まってしまう『タップ』とはその動作に違いが生まれてきて当然です。
ですから『前刺し』の場合は『タップ』に比べて、段差に対してより姿勢を低く直線的に(進行方向に対して)勢いをつけながら跳びつき、(前タイヤが乗った後)その前向きの力も利用し「前を刺した」後に自転車を前に進めます。
身体動作のイメージは、身体は止まらずに常に前に進み続け、その間に段差に前タイヤを「刺して」バイク後部を跳ね上げて高さを稼ぎ、段差の上で身体の下に納める。といった感じでしょうか。
ですから一般的な見た目の違いとして、前輪が段差に乗った瞬間に『タップ』は肘が伸び、『刺し』は肘が曲がります(←体が低くなるため)。
タップから覚えると断然楽ですが、その先に前刺しを覚えようとした時にこの違いを知っていないと苦労するかも(僕がした)なので書いておくことにしました。
同様に[おまけ]で紹介している[バックサイドへの飛び込み]も、ノーズタップ とは違う点はあるものの、動作を行う足がかりとしてはいいかな、と思って紹介しているので悪しからずご了承ください。
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ということで、動画『”ホップからのノーズタップ (ジャックナイフ)”』 の解説と補足でした。
至らぬ点も多いとは思いますが、何かのヒントになれば嬉しいです。
ではでは。