ズルズル書いてたらとても長くなりました。読まれる方はご覚悟を。
==
先日の『リトルバイキングたじみ定期会』の終了後深夜、家族が通う先で新型感染症の陽性患者が確認されたっていうメールが届きました。寺子屋の中止とかもあってちょっと気が抜けていて、そのメールに気がついたのは翌日遅くになってしまったのですが。。。
家族とその方は接触機会もなく、実際にいわゆる濃厚接触者にもあたらないとされ、これはどういう対応をするべきなんだろうとモゾモゾ考えたりしました。本当に居心地悪かった。
とりあえず念の為にリトルバイキングにご参加された皆様には、13日の夜中にメールでお知らせし、また翌日には濃厚接触者全員の検査陰性が確認されたので、これもメールでお知らせしました。
濃厚接触者とされなかった(自分ではなく家族なので2クッションある)にも関わらずお知らせをしたのは、それでも万が一の感染可能性があること、お知らせしないでいて後日この事態を知った場合には運営に対して不信感を抱かれるのでは?と考えたからです。
ご参加の皆様には大変お騒がせしまし申し訳ございませんでした。
何卒ご理解いただけましたら幸いです。
そんなことがあったからってわけじゃないですが、僕自身が現在のCOVID-19の状況をどう考えているのかを書いてみようと思います。
↓ こちらは3月〜9月半ばまでの全国の検査陽性者数のグラフです。
厚生労働省の公開データから7日平均で作成。
7日平均で作成するのは、厚労省のデータは集計した日の数だったり、診療所などのお休みなどで毎日の変動が大きいから。
で、これを見ると7月以降の陽性者数の『山』は、4月よりもずっと多く倍以上になっています。
これがいわゆる第二波と言われているものですね。
ですが、これに『検査件数』を合わせるとこうなります。
ともに7日平均。
『検査件数』がとても多くなっていて、『検査陽性者数』が超少なく見えます。。。
検査は基本的に『陽性を疑われる患者さん』と『陽性患者さんとの濃厚接触者さん』に行われているとのこと。
これは「陽性患者発生」→「周囲の接触者の確認&検査」→「新たな陽性者確認」→「さらにその陽性者の接触者の確認&検査」→「陽性者確認」→・・・といったように新たな陽性者が確認されなくなるまで続けますから大変な作業です。
しかも現在は春よりも検査体制が整っているので『念の為検査』も多くなっているようです。
ですが、こうして感染確率の高い人を追っかけながら検査をしていくことで、その『検査数に対しての検査陽性者数=陽性率』が低くなればそれだけ感染の拡大を抑え込めていることになります。
ということで『陽性率』を求めたグラフがこちら。
この『陽性率』と『検査陽性者数』のグラフを無理やり重ねてみます。
『実数』と『割合』なので比べるのには注意が必要なのですが、その二つのピークが逆転していることは視覚的にわかりやすいかなと。
上の『検査件数』も併せて考えます。
春の時点では、検査体制が整っていなかったため『検査前確率』の高い人だけ検査を行なっていたので陽性率が高く、7月以降は検査の数を増やす施策などによって『検査前確率』が低い人も検査ができるようになり陽性率が低くなったと考えられます。
ですから、7月以降では新たな感染陽性者が発生してもその後の感染の伝播(拡大)可能性を抑えることができていると考えられます。春よりは。
ただ患者の実数が増えれば医療に携わる方々への負担は確実に増えます。もちろん病床や医療機材の数にも限りがあります。
そしてそんなに簡単に医療体制が拡充できるわけでもありません。
また9月に入ってからは、検査陽性者数も検査陽性率もあまり大きくは減少していません。ほぼ横ばいです。
ですから、もうちょっとの間は実数を増やさないよう個人個人が現在程度の対策をしつつ暮らすことが必要なのかな、と考えます。
==
ここまでに「感染拡大を抑え込んでいる」と書いてますが、困ったことに「抑え込めているはずなのに、検査陽性者数が減らない」という現実もあります。
これは、『隠れ陽性者』が社会生活の中に存在していることを表しています。
ニュースなどで使われている「市中感染」というのがその状態のことです。
このCOVID-19のめんどくさいのは『発症前でも感染させる』『多くの場合軽症で済む』という特徴のためかなと考えています。
で、この一ヶ月ほどの我が岐阜県の陽性患者さんとその周囲の検査や関連などを見えるようにまとめてみたのがこちら。
それぞれの列の最初の数字は、関連症例(基本的に感染源)
クリックするとPDFファイルが開きます
色分けは
- 黄色:発症前2日間(感染させる恐れがある期間)
- 赤:発症後(感染させる期間)
- 黄緑:判明日
- グレー:判明後適切な処置が取られてると思われる期間
左端の色では感染経路が示してあり、
- 黒:『感染経路不明』
- 青:『県外在住者からの感染』
- 緑:『県外居住者』
- 黄色:『経路が判明している』
- グレー:『経路判明&無症状』
岐阜県の公表している感染者の情報から基本的に発症日を基準に揃え、そこに関連事例をくっつけていく形になっています。つまりクラスター。
表から読み取れる情報だけでクラスターを推測しているので、ひょっとすると他にも陽性者同士の関係があるもの同士の事例があるかもしれません。
こうしてみると、多くの場合に発症から検査までの期間が空いていることがわかります。
これは推測ですが、軽症であるために「保健所などへの相談や医療機関にかかるほどではない」と思っているか、普段であれば「ちょっと病院に行ってこようかな」ってくらいの症状でも「病院で感染症を拾うかもと思って控える」または「もし陽性と判定されたらどうしようと考えて控える」なんてことも考えられます。
ですが、表を見るとその発症から検査までの間に家族や知人、職場などで感染させてしまっている例があることがわかります。(感染から発症までは4〜6日が多いとされている)
これが『多くが軽症状であることのめんどくささ』だと思うんです。
インフルエンザのようにほとんどの患者が「高熱が出る」などの症状が出るのであれば、本人も「まずい」と思うでしょうし、周りの人も診断を勧めたり、現在では会社や学校を休むべきというコンセンサスもありますが、初期にちょっと咳が出る程度の症状ではなかなかその判断もできないでズルズルしてしまうかもってことです。
また、8月の間は県外からの感染(青)、県外の方の感染(緑)が半数程度ありますが、9月に入ってからはほぼ経路不明(黒)です。(クラスターの場合はその最初の感染者)
経路不明(黒)とはいえ感染したということはウイルス(陽性患者)に接したということ。触れないウイルスには感染できません。
つまりその自覚がないまま軽症状や発症前患者にどこかで接してしまうということです。
つまり上の表の経路不明な陽性者の方は偶発的な感染の可能性が高くなります。(意図して会った人であれば経路がわかる)
例えば飲食店などは、いろんな人が出入りし同時にマスクを外して食事(経口)をするため、そうした場所での全くの他人からの感染も考えられます。
なのでそうした場所では強く対策を求められているわけです。
こうして経路不明(黒)が多くなるということは、いわゆる『市中感染』が進んでいるということ。
ちょっとまずいぞ岐阜県。
でもこの1週間では陽性者1名なので、このまま新たな感染者がでなければ・・・。
ちなみに岐阜のお隣で名古屋を擁する愛知県の陽性率は、8月第1週の59%をピークにだんだんと下がってきていて直近で40%まで下がってきました。グッジョブ。
→ 愛知県|感染者数と感染経路不明者数の推移(PDF)
まあ「新規感染者1名、経路不明者1名」であれば経路不明率は100%になっちゃうのであくまで目安でしかありません。他の数値との併用が必要です。
ただ、上にも書いたように、COVID-19は軽症状で済む人が多いのと発症二日前から感染することから、今日は発症していなくても明日には発症するかもしれず、明日発症する人は昨日か今日に誰かに感染させてしまっているかもしれません。
ややこしいですが。
どんな病気でも、人にうつすとわかっていれば、罹った人もうつさないように気をつけますよね。(思わない人とはお友達になれません)
ですが、COVID-19は、その症状が出る前からの感染や症状の自覚がされなかったりするためについつい感染してしまうのが難しいところなわけです。
本当にめんどくさいウイルスです。
==
ちなみに現在のエビデンスによる情報(対策)についてはこちらが参考になるかと。
山中教授によるサイトです。
[blogcard url=”https://www.covid19-yamanaka.com/cont7/main.html”]
これだけを参考にしているわけではないですが、だいたいこれでいいんじゃなかと(偉そうにも)考えています。
==
マウンテンバイクなどは、基本的に屋外ということで、よほど近くで向かい合って会話などをしない限りは感染可能性は低いと考えられますが、そこで一緒に食事を、ということになると可能性は高まるんじゃないかな、と。
二人の距離は同じなんだけど、真ん中に料理やお皿などを介して相手に届く。
まあひょっとして単に距離が近くなるからって理由かもしれませんが
現在『リトルバイキング』で昼食を必要としないで完結するように開催(MTBひろばの不開催)しているのは、こういうことを考えてが理由です。
まあ、これまでに行われたいくつかの大規模検査などによっても感染していない人の方が圧倒的に多いということなので、これらのことは全て「そもそも低い可能性(率)」の上でのことでしかないのですが、実際に感染した時にはそれは感染者にとっての『100%そこにある病気』になります。
そうなれば、その人自身の健康を害するだけではなく、その周囲の方への感染などもあり得るわけで、感染してしまったという事実はもちろん、「感染させてしまった」という自責の念を抱かせてしまうのかな、と。
極小のイベントであっても開催する人間としてはやっぱりそうした可能性は考えざるを得ないんですよね。
可能性の上での対策を考えるって本当に面倒なんだけど、だからって考えるのやめたらイベントなんてやれませんので知恵熱出るまで考えていようと思っています。。(まだギリギリでてない)
知恵熱出たら(考えられなくなったら)開催しない方向で。
==
ということで僕がイベントの参加条件で参加地域を絞っていたりするのは、経路不明率の高い地域&その生活経済圏との往来を避ける目的があるわけです。
また、以前はゆるかった居住地・連絡先などが必要になったのも、万が一感染が確認された時に迅速に連絡をするためですね。
反対に、地元で感染者数が増え経路不明率が上がったら開催を控えることになります。これは感染症を他の地域に運び出さないためですね。
それはイベントにご参加いただく皆さんのためでもあり、また超小規模とはいえ参加者を公募すること=「公」のものと考えるからです。
対策の柱は「会場内にウイルスの存在可能性を低下させること」「会場内でウイルスの伝播をさせないこと」の2点。
その前者を考える上で、ここまで長々と書いたようなことをウンウン唸りながら考えていますよってお話でした。
正直、感染症の専門家でもない僕がこんな判断を下すのはなかなか難しいので、何か間違いや不審な点があれば教えていただければ幸いです。
そのためにこうして書き連ねております。
==
で、以上はあくまで『イベントを開催する』ための検証であって、個人で遊んだりする時にはもうちょっとゆるく考えていいんじゃないかとも思っています。
個人でできる対策は、距離を保つ、人の近くではマスクする、手洗いと手指消毒、換気をする、黙って食事くらい。
あ、あと体調怪しいなって思ったら普段よりも大事をとって大人しくしてるって感じでしょうか。
世間で言われてる通りですね。
感染する・させる両方についての用心。
ただ、移動などで長い時間同じ車内に乗り合わせする場合などは少し気をつけなくてはと考えます。
こうした対策に気をつけていれば個人旅行などで感染可能性は低いだろうってことでgoto〇〇などが行われていると思うんですよね。
ただそうしたことで「気の緩み」を誘っているようにも感じてはいます。。。
まだ今後しばらくはちょっと気をつけながら遊んだ方がいいかなぁと思ってますよ。
マウンテンバイクの全長はだいたい1.7〜1.8mくらい。
距離感を測るにはちょうど良いかな、と。