レポート?:多治見市体育協会さん主催『補助輪はずし講習』(2019年8月実施)

そうそう、地元多治見市の体育協会さん主催の『補助輪はずし講習』を8月にしたんでした。

場所は多治見市の野外活動施設・地球村のグラウンド。
暑い多治見市でも、山の中にあるこの施設ならちょっとはマシ。

保護者さんが一緒に参加する形で1時間以上、休憩を頻繁にとりながらの講習でした。

講習は、補助輪とペダルを取った状態からスタート。

ランニングバイクの要領で、サドルに座り、足で地面を蹴って前に進む練習をします。

これは、スーッと進んでいく自転車の感覚に慣れることと、進む力によって自動的にバランスを補正する構造を持つ自転車の挙動に慣れるためです。

この時、両足が地面を離れて走ることが難しい子は、スーッと前に進んでいく感覚に馴染めないか、自転車が傾くことに強い不安を覚えるようで、これは乗り手の背中や手に補助の人(この日は保護者さん)が手を添えてリードしてあげると良いようです。

ただ、ガッシリ掴んでしまうと乗り手はその力に頼った動作をするようになるので、あくまで「添える」程度が望ましいです。

また、スタートから近いところに目標(ゴールラインなど)を設置し、ワンキックで到達できるように練習してみます。
この目標までの距離は、スタート時に両足で地面をキックして足が浮いている間に進めるくらいの距離で、特に自分がそこまで「前跳び」または水泳の「蹴伸び」するようなイメージを持ってもらえるよう説明します。
(本当にジャンプするとサドルからおしりが離れてしまうのであくまで「感じ」)

この時、僕の場合は、スタートスロープ(坂)を使って進む勢いを足して、長く走れるようにしています。

この練習では、体が後ろに倒れないように気をつけて、とにかく気持ちは前に前に。
最初はちょっと極端なくらい頭を前に出すようにして、気持ちも前に向けてもらいます。

自転車と身体(意識)が一緒に進まないとバランス崩しやすいんですよね。

今回、どうしても体が後ろへ倒れてしまう子に地面を蹴った後の足を後ろへ残すようにしてもらうと、自然と上半身が前のめりになり安定する事例がありました。
地面を蹴った後すぐ足を前に出す子は、バランスを崩して倒れる恐怖心から、すぐ足を着けるように備えているようです。
ですが、足を前に出すことで頭が後ろへ=上半身が後ろへ倒れてハンドルが遠くなってハンドル操作が難しくなり、余計に怖くて足を着きたくて、というループなのでは?と考えました。
足を後ろに残すことで上半身の仰け反りを回避し、また地面をキックする足のストロークも長くなるのでより強い推進力を得られ、またハンドルを持つ腕に余裕が生まれると考え、実施し、この日は完全にというわけにはいきませんでしたが、だいぶ改善がみられたと思います。

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後半は、ペダルをつけての練習です。いよいよ本番って感じですね。

ペダリングのスタートというのはいろいろと難しいことも多く、いきなりペダリングの推進力だけでスタートするのは難しいことが多いです。

ですから、まずはスタート時の推進力をスロープや手での補助によってサポートし、両足をペダルに乗せてペダルを回して進むことに集中してもらいます。

ペダリングの推進力で自転車のバランス補正する挙動を助けることを知り慣れたら、だいぶ自転車が楽しくなると思います。

この時も補助は手を添える程度。背中の方をメインにし、推進力が落ちないようにサポートする程度です。あまり強い力で推すと、その力に背中を預けるような動作をするようになるので注意が必要です。

この時、基本的には自転車が向いてしまった方にそのまま進むのが望ましいと思いますが、ゴールラインのような目標を決めておくと良いと思います。
それによって視線が安定しますし、成功すれば達成感を得ることができますしね。

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ペダリングスタートでは、あまり型を決めてしまわない方が良い子もいます。
片足を地面につき、もう片方のペダルを踏み込んで進むというのは、意外とハードルが高いのです。

最初は両足で地面をキックしてスタートしてもいいですし、ペダルの位置もバラバラでも構いません。もちろん理想の位置はありますけど、なかなかその手順を順番通りに行えない子の方が多いと感じています。

また、ペダルを強く踏むことに気をとられると、ペダルなしで練習した「自分も前に進んでいく感覚」を忘れてしまいますし、強く踏み込もうとすることでバランスを崩したりもします。

自転車に乗って進む感覚というのは、子ども達にとっては馴染みのない感覚だということを忘れずに、無理せず長い目でつきあってあげてほしいなと思います。

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なんだかあんまりレポートっぽくない感じになってしまいましたが、まあ何かの参考になれば嬉しいです。

基本的には、持ってない感覚を覚えてもらうこと、怖いと思う要素を取り除いていくことが中心になるのかな、と考えています。

あ、ここで書いたことは、基本的に僕の経験と考察によって考えたことですので、その辺踏まえて参考にしてくださいね。

ではまた。