動画:ちょびのり#7 “バイクを倒すターン”で足を出す理由の解説

上のYouTube動画のコメント欄に
「左足はペダルに乗っけたままよりこうしたほうがいいんですか?」
という質問をいただきました。
コメント欄でもその理由を返答をしたのですが、ものすごく長文になってしまったためにわかりにくいと思ったので、こちらで改めて写真なども加えて解説を試みようと思います。

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まず、このターンは、「極端にバイクを倒して曲がりたい」という要望のためにやってみた時のものです。
当初、その辺りの説明の記載がなく、通常のターン(コーナー)でもそうなのかと誤解された方には申し訳ありませんでした。(説明に追記しました)

実際に山を走る時のコーナーリングではここまで倒す意味はあまり(全く?)ないです。
実際に細かく曲がるときや、すぐにペダリングが必要な時には、内側の足を離さずに曲がることが多いですね。
例)ちょびのり#14 “芝スラロームごっこ” https://youtu.be/uBJvm9pn2Pw

ただ、普段のコーナーも、この倒すコーナリングができればより安定して曲がることができるようになると考えています。

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■ 内側の足を離す理由

バイクを倒して曲がる時には、内側のハンドルグリップを地面に刺すように下げてバイクを倒します。

この時、ライダーの体も一緒に内側に倒れてしまうと、重さで際限なく倒れていってしまうので、バイクの外側のペダルを『上から踏む(乗る)』ようにし左右のバランスをとります。
この場合の『上』とは、重力方向の『上』ということです。

この外側ペダルに『上から踏む(乗る)』ことで、タイヤの接地点に近いところに体重の支えを作り、タイヤグリップ力を向上させる効果もあります。

以上のことは大きく倒さなければペダルから足を離さなくてもできます。
ですが、内側のペダルから足を離すことで自動的に外側のペダルが一番下=タイヤ接地点に最も近くに位置することになり、また片足で立つことでより多くの体重を使って外ペダルを踏むことができるので、より大きなタイヤのグリップ力を稼ぐことができます。

この時、内側のペダルに足を乗せたままバイクを倒すと、トップチューブやサドルが内側の足に干渉することがあります。(フレームやポジションにもよります)

足に干渉するということは、バイクを倒すと体も一緒に内側に倒されることになります。
この状態では、バイクを倒すほどに体も内側に倒されるため、倒す角度に限界が生まれます。
また、『踏む』脚の起点となる『腰』も内側に移動することになり、ペダルに『上から乗る』のが難しくなります。 身体(主に腰)が外のペダルから(水平距離で)離れてしまうからですね。

腰のある位置が内側になるほど、ペダルに対しては外へ向かって踏むことになりますので、タイヤもしくは路面のグリップ力が高い間はいいのですが、その限界を超えた時に一気に滑りだしてしまいます。
内側の足を離していれば、倒れるフレームが内側の足に干渉することもある程度緩和されます。

以上の理由から、この動画のように極端に倒す時には腰の位置をペダル近くに移動させやすくなるために内側ペダルからは足を離します。

ちなみに、上の写真のようにコーナー時に身体を低く構えるのは、バイクが倒れていくにつれて内側グリップはどんどん体から離れていくので、それに引きずられないためでもあります。

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次に足を出す方向についてですが、これはバイクを倒した時に、他に持っていく場がないというのがもっとも大きな理由です(笑)

例えば、横に広げると、せっかく外側ペダルに上から乗ろうと近くに腰を持って行っても片足の重量分(平均で全体の14パーセントと言われています)が内側に逃げることになります。
また、よっぽど股関節の柔らかい人でないと、足を開く角度にも限界がありますね。

足を後ろに持っていくと、身体の構造的に姿勢を低くするのが難しく、またその姿勢を維持するのも難しいです。多分背筋がつる。

あと、外足を上から踏む位置に腰を据えた上で内側の足先を行き先に向けることで、腰から上=上半身の正面が行き先(前輪の進む方向)に正対でき、コーナーリングが安定するというメリットもあります。
この上半身の方向と前輪の方向の関係については、他に機会を設けて説明したいと思います。

あと、このような形になって曲がるためにコーナーの入り口でもいろいろとあるのですが、これもまた別の機会で。

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反対に、コーナーリングで足を出す時のデメリットとしては、荒れたところでは自転車が突き上げられる為に、片足での姿勢保持が難しいこと、足を前に伸ばすフォームを維持するのは割と筋肉に負担がかかること(実際この動画のあとに攣りました)があります。
この辺りはこっちのブログで解説があります。
ペダルの上で考える『コーナーでの両足と外足の考え方』

コーナーでの両足と外足の考え方

また、山道を長く走る時などにはサドルが上がっていることの方が多いと思われますので、外足を下げることで腰の位置が下がり、サドルなどが姿勢(足)に干渉しやすくなります。
この場合は、両ペダルの位置を水平にして曲がる方が良いのですが、腰はできるだけ両ペダルの真ん中=ボトムブラケットに『上から乗る』ことを意識するだけでずいぶん安定し、曲がりやすくなります。この時も上半身は前輪とともに進行方向へ向けるのは一緒です。
この『上から乗る』をいきなり両足で覚えるのは案外難しく、まずは外脚(片足)に立つことを覚え、その後両足で『上から乗る』を覚えていくと良いだろうと考えています。

ちなみに身近でできるコーナー練習としてこんなのもあります↓

僕のレッスン『寺子屋・個別レッスン』では必ずやってもらうことで、僕も今でもウォーミングップにやっています。
この動画では、外脚ペダルまでですが、この先に両足揃え、さらに先にノーペダリングですね。

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というわけで、「バイクを倒してコーナーを曲がる時、どうして内側の足を離すのか?」という質問への回答兼解説でした。

ではでは。