動画:『ハンドルを意識したジャックナイフターン』の説明

今回の動画のお題は『ジャックナイフターン』です。
久しぶりに編集してたら、加減がよくわからなくてやたらくどくどしい感じに・・・削ろうと思ったらかえって時間が延びる始末で・・・。

目次つけるので区切り区切り見てもらえたらと。

■ 動画のINDEX
(下の各項目をクリックするとその時間から動画が開きます)

今回は、ハンドルやその傾きを意識してジャックナイフターンを考えていきます。
ちなみに、このハンドルの傾きによる自転車の挙動とその動作への利用は僕の独自見解です。含みおきください。

では、以下それぞれに解説を付けていきます。


0:15~ ジャックナイフおさらい

ジャックナイフもいろんな形になりますが、ここでは僕オススメの「前輪に上から乗る」ジャックナイフを紹介しています。
動画全体も、これを基準として話を進めています。
こちらは、また別に動画があるので、参照してください。

【 How to 】ジャックナイフをもう一度

このジャックナイフで大事なところは、『前輪を(顔で)上から見下ろす』と、『おしりを上げていくイメージ』です。
ジャックナイフでよくあるパターンとして、後輪から『重さ』を抜こうとするあまり、腰がハンドルにくっつくように動いてしまうパターンがあります。
そうすると背中が仰け反ってしまい、その後の身体の移動や上がってくる後輪の制御が難しくなります。

ハンドルをちょっと後ろに引くようにした後、『接地点上を上から顔で見下ろすこと』と『おしりを上に上げること』を同時に行うことで、結果的に上半身が接地点を支えにした縦の回転運動をすることになります。(まあ接地点は後輪が上がるに連れてだんだん前に移動していくんですが、その辺は練習の中で解消してください。)
また、腕や足を過度に曲げないことで、身体をハンドルの間に空間・距離を保ち、姿勢が安定し、動作に拡張性を持たせることができます。

難しく書きましたが、単純にすれば、『後ろに構える→ブレーキ→接地点を上の高い所から顔で乗っかる&おしりを上に上げる→後輪上がる』という流れです。

この『前輪に乗る』という動作と感触が最も大事なことで、この先もこれを前提として話を進めていきます。

ここで一つ注意なのは、短いステム(60mm以下くらい)をつけていると、構造上の問題でただ体の移動をしただけでは後輪が上がらない自転車が多いと思います。
こうした場合、ブレーキ後にちょっとだけハンドルを前に押すように意識すると上がりますよ。本当に最初だけ、ちょびっとね。


0’45~ 後輪を横にずらす

『後輪を浮かしてハンドルを傾けると後輪が横移動する』現象を利用して、後輪を横にずらす(動かす)ことに慣れていきます。

自転車は構造上、後輪を少しあげハンドルを傾けると後輪が傾けた方に動きます。
このハンドルの傾きによる現象を利用すると、後輪を運ぶための動作を省力化でき、少ない労力でスムーズに後輪を横に動かすことができます。というのがこの動画の趣旨。

ここでは、まっすぐの進入からジャックナイフをし、顔(によって誘導される身体)を横にずらすことでこのハンドルの傾きを生み、後輪を動かすことを覚えます。
顔(身体)は、ハンドルの傾きを生むために横に動いているので、後輪と身体の移動が同時に行われ効率が良いのです。

動画では、最初にジャックナイフの動作を始めてからハンドルを傾ける横移動をしています。
でも、慣れないうちは、動作開始からいきなり移動させたい方のハンドルグリップ上へ顔を移動させてもできると思われます。
それでも『前輪に上から乗る』=『身体を預ける』をした上で、『身体が横に移動する』ことで『ハンドルの傾きを作る(操作する)』ことだけ感覚として身につけられればこの項はオッケーです。


2’20~ 90度のジャックナイフターン

ここからやっと、よく知られているジャックナイフターンになります。

後輪を上げる前にハンドルをきり、前輪の方向を変えてから後輪を浮かし、前後輪が揃ったところで着地。です。
90度にこだわることなく、前輪と後輪を揃えることが大切です。

まずは、大回りターン(ハンドルを少しきった状態)からのジャックナイフターン。
その後にハンドルを大きくきってのジャックナイフターンの順に練習します。

ここでも『ハンドルの傾き』を意識に入れます。
ハンドルをきった状態では、ヘッド角の影響でハンドルが斜めになります。
この斜めになったハンドルをそのまま水平になるようにすると、前輪と後輪がまっすぐ揃うという現象がおきます。先ほどの後輪ずらしとは逆ですね。

この時大切なのは、ハンドルをきった時に、それに顔・胸など上半身をハンドルと同じ方向に向けることです。この時の『同じ方向』とは、ハンドルと胸(肩のラインでもいいです)が平行になっていることで、左右にはズレがあります。
というか、平行にずらすことでハンドルへの荷重移動を行います。

準備の動作にも注意点があります。
まっすぐのジャックナイフでは、体はとにかく後ろに構えていれば良かったのですが、今度はハンドルをきり、そのハンドルに上体の方向を合わせるために頭をハンドル近くに残すことになります。
結果、体は低く伏せながら上体をハンドルに向けてひねるような格好になり、後輪が浮いた後には下半身が上半身に追いつくようにひねりを解消することで後輪を運ぶ力の一部になります。

また、前輪への荷重を意識するには『顔』で見る/捉えることも大切です。
目だけで見ても身体動作への影響は小さいですが、顔を向けるとそれにつられて背中の角度や方向などに影響を与えることができます。
ブレーキの後、顔で接地点を『真上から』捉えることで、身体自体が接地点の上に移動する動作を始め、また顔を下に向けていることで、背中が水平に近くなるように回転し、後輪を上げる力になります。

最終的には、後輪が着地した時に前後輪がまっすぐ揃い、自転車は直立した状態。当然身体もその上に直立した状態になります。

まずは『方向を変えた前輪に、浮かせた後輪が追いついてまっすぐに立つ』を目的にして、そのためにはとりあえずハンドルを水平にし、その真上に顔を持ってくるってことだけ覚えてもらえればと思います。


■ 180度ジャックナイフターン

これはおまけみたいなもの(笑)

後輪を180度動かしてしまおうというものですが、自転車によってどうしても難しいことがあるので、まあ『だいたい180かな?』くらいでオッケーにしておきます。

180度の時には、基本的には90度の時と動作は一緒です。
違うのは、その動作中により前輪にしっかり乗って(身体を預けて)、その前輪を『飛び越えるようにして』後ろ向きに着地する。という感覚です。

また後輪は真反対まで動くので、ハンドルは最初にきって傾いた状態から、水平を経て反対側に傾くまでいきます。
ただ、ハンドルを反対に傾けることばかり考えていると、手だけでハンドルを押すような形になり体が目標の着地点まで動いてくれません。
あくまでハンドルを傾けるのは、顔(体)が移動していく過程で起こす動作であることですし、そのためにも腕はまっすぐぎみの方が力を伝えやすいと思います。

身体が後輪に振り回されるようにして着地ができない・後輪が動かせない時は、後輪の動く円軌道に合わせておしりも円軌道を描こうとしてしまっている可能性があります。
前輪に『上から乗る』ことを忘れずに、身体は着地点まで最短距離で動くようにします。

着地では、あまり腰を落としてショックを吸収しようとすると、勢いに負けてバランスを崩すことがあるので、最後まで前輪に体を預けておいて、そっと置くようにすると綺麗かなぁと思います。


ちなみに、後輪を上げた時に腕が伸びている方がいいのは、

  • 距離が一定
  • あまり筋力を使わずに体を支えやすい

という理由があります。
筋力ある人の中には腕を曲げても支えられるのですが、その筋力を発生させることで他の動作ができなくなったりもするので、基本的に脱力で。

ということで、超長くなりましたがこんな感じです。
また頑張りすぎない程度に動画作っていきますので、今後ともよろしくお願いします。

ではまた。